2024年7月25日
「社員が成長する環境とは」について、前号では経営者が社員のために用意すべき環境について 私の経験談を交えてご紹介いたしました。今回は、実際に社員たちはどのような環境が望ましいと思っているのかをまとめたいと思います。
自身の能力を高めることができること
去年出来なかったことが今年は出来るようになっている、或いは去年40時間掛かった仕事を、20時間で終えることが出来るようになっているなど、自分の能力の高まりを実感した時に人は喜びを感じるものですし、キャリアを築いていく一番確実な方法でもあります。その中で、弊社の社員が会社に期待することは、
社内における各種業務の研修が充実しており、外部における研修にも参加する機会があること。
自分の現状の能力より少し難易度が高い仕事にも挑戦する機会が与えられること。
やってみたい他の分野の仕事にも挑戦できる機会があること。
ということでした。やはり、能力を高める機会を常に与えることが出来る会社でなければならないと自戒した次第です。
周囲に尊敬出来る人たちがいること
仕事を教えてくれたり、困った時に親身に話を聞いてくれたりする、そのような上司や同僚が社内にいることは、社員に安心感を与え、更なる成長への意欲を掻き立てるきっかけとなります。特に、まだ経験の浅いスタッフほど、あらゆる場面で不安に思うことが多いものです。新しい業務を任せる際には、上司がしっかりと今後の展望を示し、共有することが部下のやる気を支える一助となるでしょう。同時に、部下は上司自身が自社の行動哲学(弊社であればTOPC Axis)をどれだけ体現出来ているかを、良く見ているものです。部下に行動を求める前に、まずは上司自身が成長のための努力を怠らないという姿勢を持たなければなりません。
成長している会社であること
会社が衰退の一途をたどっているとしたら、社員は不安に感じることでしょう。自分が働いている会社が成長を続け、明るい未来が期待できるからこそ、社員は安心して仕事に取り組めるものです。経営陣は売上と利益を確保するための戦略を練り、社員と共有し、実践を続けていかなければなりません。また、新しい製品やサービスの開発、新規分野への進出など、既存のビジネスの枠を超えた挑戦を怠らないことも重要です。トップ経営陣が挑戦の姿勢を持つことは勿論ですが、社員のアイデアにも興味を持って耳を傾け、良いものはオープンに受け入れる雰囲気を持つことで、会社全体が次のステージに上がっていく機会を得ることが出来るでしょう。 経営戦略もさることながら、会社の成長に一番必要なのは、実は社員一人ひとりが「自分の仕事こそが会社の成長を支える源泉である」と自覚することだと思います。会社を他人事として語るのではなく、自分の仕事の幅と質を上げることこそが、会社の成長につながることを理解し、仕事に対するオーナーシップを持つこと。このオーナーシップ意識こそが、社員の成長、そして会社の成長に何より重要なことであり、見渡した時、私が社員たちを誇りに思う瞬間でもあります。
公平な報酬を払ってくれる会社であること 私に気を使ったのか、意外に社員たちから出てこなかったので、この項目は私が勝手に追加しました。世間には、一般社員の給料を抑えて利益を増やし、その利益からトップ経営陣に高い報酬を払うという会社が多くあります。しかし、搾取されていると感じてしまうような環境の中で、社員がやる気を出していい仕事をしてくれるでしょうか。 社員にしてみると、自分達の成果を公平に評価して報酬に反映してくれる会社で働きたいと思うのは当然のことですし、経営者の私もやはり、一生懸命働いてくれる社員たちに出来るだけ良い給料を払ってあげることが出来る会社を作るのがモチベーションになっています。 現実的にはその時々の経営状況や予算もある訳ですから、社員には半年毎に会社の財務諸表を公開・説明し、会社の現状を理解してもらうように努めています。
以上のように、「社員が成長できる環境とは」について、2号連続で綴って来ましたが、やはり「仕事に対する各自のオーナーシップ」以上に、成長に必要な要素は無いでしょう。 会社がどれだけ研修プランを用意し、公平に社員を評価して良い報酬を支払っていたとしても、社員自身が成長への努力を怠っていては、本人にも、会社の成長にもつながりません。逆に、日本では松下幸之助、アメリカではトーマス・エジソンは共に学校教育も十分に受けない中、世界を代表する企業を設立しています。どれだけ劣悪な環境だったとしても、本人の心がけ次第で成長することは可能なのです。
私が社員に伝えたいのは、あなた自身の成長への情熱こそがあなた自身を成長させる一番大事な要素であり、私は皆さんが弊社で活躍できる場を用意できるよう、努力するだけです。
経営陣がそういう環境を提供するオーナーシップ、社員がその環境で最大の努力をするオーナーシップ、その二つが重なってこそ、会社も社員も最大に成長するものだと思います。
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